医療報酬債権ファクタリングとは

病室

医療報酬債権ファクタリングとは、病院やクリニックなどの医療機関向けのファクタリングのことで、診療報酬債権をファクタリング会社に売却することで支払いサイトを大幅に短縮できる資金調達手法です。

通常、医療機関では毎月診療や治療の内容をまとめて、レセプト(診療報酬明細書)を国保・社保を取り扱う医療保険者に送付することで診療報酬が受け取っています。しかし、診療報酬の支払いには審査が必要で、通常医療機関が診療報酬を受け取れるのは、レセプト送付の2か月後になるのが一般的です。また、レセプトに不備があった場合などは、再提出が必要となるため診療報酬を受け取れるまでに数か月を要することも少なくありません。レセプト送付から診療報酬の受け取りまでのタイムラグによって資金繰りに悩んだ場合に、非常に有効なのが医療報酬債権ファクタリングというわけです。

医療報酬債権ファクタリングは、医療機関と医療保険者、ファクタリング会社の3社間取引と見なすことができます。一般的なファクタリングの場合、取引先企業に通知すると信頼問題に発展する恐れがあるため、2社間取引を選択する利用者が多いのですが、医療報酬債権ファクタリングにおける取引先企業は公的機関である医療保険者なので、信頼問題について配慮する必要はありません。また、通常は手数料は貸し倒れのリスクに比例して高くなりますが、医療報酬債権ファクタリングの場合は貸し倒れのリスクがないため、手数料が格安なのが特徴です。

医療報酬債権ファクタリングの大まかな流れとしては、医療機関がファクタリング会社に申し込みを行い、診療報酬債権の審査が行われたうえで、診療報酬債権の売買契約が締結されます。そして、医療保険者へ債権譲渡通知をした後に、ファクタリング会社から医療機関の口座に入金されます。なお、レセプト送付は、通常通り医療機関が行わなければいけません。その後、医療保険者によるレセプト審査が無事通過したら、ファクタリング会社へと診療報酬が支払われるという流れです。

このように、医療報酬債権ファクタリングを利用することで、早期に資金調達可能ですが、注意すべきなのが掛け目の存在です。一般的に、レセプト審査に通過しないことが考慮されて70~90%の掛け目が設定されていることが多く、早期に入金されるのは、診療報酬から手数料と掛け目を差し引いた金額となります。なお、掛け目によって差し引かれた金額は、医療保険者からファクタリング会社へ診療報酬が支払われたことが確認され次第返却されます。

医療報酬債権ファクタリングとは、手数料がかかるものの、大幅に支払いサイトを早めることができる資金調達方法です。しかし、あくまで短期的に資金繰りを改善するものであることを念頭に置いて、計画的に利用することが重要です。